日本大学芸術学部文芸学科     2008年(平成20年)11月17日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.115
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2008後期9/22 9/29 10/6 10/20 10/27 11/10 11/17 12/1 12/8 
12/15 1/19 1/26 
  
2008年、読書と創作の旅

11・17下原ゼミ

11月17日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.ゼミ誌作成報告 出欠・連絡事項・課題提出・課題配布

 2.課題発表・「ナイフ投げ奇術師美人妻変死事件」裁判
    
 3.世界名作読み 詩編「失恋」、幕末江戸観察・シュリーマン『日本』
 
  4.ゼミ中日・紙芝居 「赤ゴリラ編」残り
     
 
今週の車窓 
 晩秋の車窓は、なにかとあわただしい。ゆく秋の感傷に浸りたいところだが、時空列車は2008年の終点に向かって矢のごとく走り行く。目まぐるしく過ぎ行く車窓の景色。クリスマス飾りで彩られてはいるが、雑然・騒然として心やすらぐものがない。
 今週の気になる景色をいくつか拾ってみた。
・どうなる定額給付金「2次補正先送りへ 今国会延長せず」与党の合意事項は下記。
 1人あたり1万2千円(・66歳以上と18歳以下は8千円を加算し2万円、・所得制限
 は各市町村が判断、・その場合の下限は1800万円)朝日11・13
・だれでもよかった殺人事件、父親に仕事のことで叱られた腹いせに19歳が道を歩いてい
 た銀行員24歳を車ではねて死なす。千葉県香取市。今年多発、無差別殺人。
・大学生に大麻汚染。大学生のあいだで大麻汚染が広がっている。先の慶應につづいて、こ
 んどは都の西北の早稲田でも逮捕者が。入手先はインターネットでタネを購入して自宅で
 栽培。密輸入して。大学はすでに逮捕者を退学処分に。東京理科大生も。
 よいニュースは、あまりなかった。定額給付金は、唯一、明るい話題だが、なぜ、なんのためにと考えると、複雑な気持になる。日本の政治の貧困を思ってしまう。昔、竹下首相(あるロック歌手の祖父ということで知られている)が全国市町村に一律1億円をバラまいたことを思い出す。あれは、どんな相乗効果が、成果があったのだろう。不明である。
 木枯らし吹きはじめる、この季節は、なにかしら不穏なものを感じる。これもかれも以前、見た車窓の景色が頭に残って離れないからだ。あれは、たしか141年前。時は1867年11月15日だった。ところは京都市内。木枯らし吹く、寒い夜だった。時間は夜8時過ぎか。四条河原町にある醤油商近江屋の板戸をたたく数人の侍がいた。彼らは奉公人に手札をみせ誰かに面会を求めた。在宅とわかると、奉公人を刺殺し暗殺者に変身した。「こなくそ」の叫び。彼らが去ったあと二階には、死者1名と重傷者1名が。翌年、王政復古発布。


日本大学芸術学部文芸学科     2008年(平成20年)11月10日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.114
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2008後期9/22 9/29 10/6 10/20 10/27 11/10 11/17 12/1 12/8 
12/15 1/19 1/26 
  
2008年、読書と創作の旅

11・10下原ゼミ

11月10日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.出欠・連絡事項・課題提出・課題配布

 2.社会観察・「空自トップ更迭」事件、「振り込め詐欺」
    
 3.世界名作読み・詩編「秋」観察、家族観察『 にんじん』、江戸観察
 
  4.課題・『灰色の月』、『異邦人』、
     
 
車窓・今秋のニュース 
 今秋の車窓は、なんといってもアメリカ合衆国の大統領選挙である。4日深夜(日本時間5日昼)次期大統領が決まった。当選したのは、バラク・オバマ上院議員(47)。人種のるつぼといわれる米合衆国だが、アフリカ系は米国史上初。ハワイ州うまれでインドネシア育ち、父親はアフリカ、ケニヤ出身の留学生、母親は米国生まれの白人という。異色だが、米国も新世紀になって、ようやく多民族国家らしさがでてきた、といえる。
 米国は、外来種国家である。1492年10月12日。島の住人は、遠くの沖に見慣れぬ3隻の船を発見する。これまで見たこともない大きな船だった。小舟が近づいてきた。乗っている人間は、衣服は着ているが、髯面で、眼の色は青や茶、汗と垢だらけの大きな体からは腐臭を漂わせていた。まるで密林に棲む野獣のようであった。彼らは、大声で何ごとか叫んでいた。喜んでいるようにも見えた。遠い所から来たらしい。島の人たちは、新しい客人を迎えるために花や果物を持って浜に集まった。小舟から降りた猛獣のような人間は、遠慮会釈なくドカドカと浜に上がってきた。その瞬間、開闢以来つづいてきた島の調和と平和。悠久の自然の終わりだった。時のはじまり、外来種の増殖と繁栄のはじまりだった。
 歴史的には、船は同年8月3日ポルトガルのバロス港を出港したサンタ・マリア号、ビンタ号、ニーニャ号。総督は、スペイン、イザベル女王の命を受けたイタリア、ジェノヴァ出身のクリストファー・コロンブス(46)。約10週間に及ぶ新大陸発見の航海の末だった。彼は、感動して島を「聖なる救世主いう意味のサン・サルバドルと名づけた」。もっともコロンは、その島はインドの一部と思っていたらしい。1620年、島の奥の大陸アメリカに英国から信仰の自由を求めて百余人もの人たちが漂着した。彼らは希望を胸に植民地建設に着手した。1776年独立宣言をする。それから232年、車窓は、めまぐるしかった。戦争、内紛、恐慌、繁栄、差別といろんな風景が過ぎた。が、王様は最初の外来種から変わることがなかった。それが変わった。生まれも肌の色も。車窓が楽しみである。  (編集室)


日本大学芸術学部文芸学科     2008年(平成20年)11月10日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.114
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2008後期9/22 9/29 10/6 10/20 10/27 11/10 11/17 12/1 12/8 
12/15 1/19 1/26 
  
2008年、読書と創作の旅

11・10下原ゼミ

11月10日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.出欠・連絡事項・課題提出・課題配布

 2.社会観察・「空自トップ更迭」事件、「振り込め詐欺」
    
 3.世界名作読み・詩編「秋」観察、家族観察『 にんじん』、江戸観察
 
  4.課題・『灰色の月』、『異邦人』、
     
 
車窓・今秋のニュース 
 今秋の車窓は、なんといってもアメリカ合衆国の大統領選挙である。4日深夜(日本時間5日昼)次期大統領が決まった。当選したのは、バラク・オバマ上院議員(47)。人種のるつぼといわれる米合衆国だが、アフリカ系は米国史上初。ハワイ州うまれでインドネシア育ち、父親はアフリカ、ケニヤ出身の留学生、母親は米国生まれの白人という。異色だが、米国も新世紀になって、ようやく多民族国家らしさがでてきた、といえる。
 米国は、外来種国家である。1492年10月12日。島の住人は、遠くの沖に見慣れぬ3隻の船を発見する。これまで見たこともない大きな船だった。小舟が近づいてきた。乗っている人間は、衣服は着ているが、髯面で、眼の色は青や茶、汗と垢だらけの大きな体からは腐臭を漂わせていた。まるで密林に棲む野獣のようであった。彼らは、大声で何ごとか叫んでいた。喜んでいるようにも見えた。遠い所から来たらしい。島の人たちは、新しい客人を迎えるために花や果物を持って浜に集まった。小舟から降りた猛獣のような人間は、遠慮会釈なくドカドカと浜に上がってきた。その瞬間、開闢以来つづいてきた島の調和と平和。悠久の自然の終わりだった。時のはじまり、外来種の増殖と繁栄のはじまりだった。
 歴史的には、船は同年8月3日ポルトガルのバロス港を出港したサンタ・マリア号、ビンタ号、ニーニャ号。総督は、スペイン、イザベル女王の命を受けたイタリア、ジェノヴァ出身のクリストファー・コロンブス(46)。約10週間に及ぶ新大陸発見の航海の末だった。彼は、感動して島を「聖なる救世主いう意味のサン・サルバドルと名づけた」。もっともコロンは、その島はインドの一部と思っていたらしい。1620年、島の奥の大陸アメリカに英国から信仰の自由を求めて百余人もの人たちが漂着した。彼らは希望を胸に植民地建設に着手した。1776年独立宣言をする。それから232年、車窓は、めまぐるしかった。戦争、内紛、恐慌、繁栄、差別といろんな風景が過ぎた。が、王様は最初の外来種から変わることがなかった。それが変わった。生まれも肌の色も。車窓が楽しみである。  (編集室)


日本大学芸術学部文芸学科     2008年(平成20年)10月27日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.113
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2008後期9/22 9/29 10/6 10/20 10/27 11/10 11/17 12/1 12/8 
12/15 1/19 1/26 
  
2008年、読書と創作の旅

10・27下原ゼミ

10月27日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.出欠・連絡事項・課題提出・課題配布

 2.課題・尾道幼女誘拐事件二審
    
 3.世界名作読み・家族観察『 にんじん』
 
  4.課題・『灰色の月』 & 時代観察(幕末の江戸)
     
 
車窓・外来種 
 テレビを見ていたら、西の方の町で外来種を退治するというニュースがあった。その外来種はアルゼンチンアリというハチ目アリ科に分類されるアリで、体長2.5mm、体高1.6mmと小さいが繁殖力、攻撃性が強く、たちまち蔓延するという。1993年に広島ではじめて発見された。輸入木材についてきたようだ。このアリはスピードも速く、土着のアリは短期間のうちに根絶された。人間を含む他生物の巣に侵入しその住人を襲う。世界の侵略的外来種ワースト100選定種である。天敵もいないし駆除しても根絶やしは難しそうだ。早晩、日本のアリは絶滅するだろう。アリばかりではない川には、ブラックバス、陸にはアライグマ、ヌートリア。22日の朝のテレビではウオーターレタスという水草繁殖被害の話題もあった。恐るべきは、外来種である。そんなことを思って見ていたら眠ってしまった。
 あるとき私は、彼らを連れて大銀河のはずれにある、この惑星にきた。水がある美しい星ということで調査にきたのだ。有機体成長の三原則は充分だった。酸素よし、水分よし、光りと温度よし。弱肉強食はあるが多くの生命体が関連してこの有機体惑星の調和を保っていた。幸い近くに似た星はない。このままにして置こう。私たちは、そう結論した。
 出発時に、警報がでた。私の手足となっていた有機体数体が不明。密林で迷ったか、逃亡したか。が、あまり心配しなかった。彼らでは、この惑星では生き残れない。彼らのひ弱さ、やがてくる氷河時代。病の微生物。彼らの生存確率は、0.00%と限りなく些少。この星にとって異物である彼らは必ずや自然に排除される。だが、私は不安を感じた。彼らの攻撃性、創造性、狡猾性を恐れた。杞憂だと誰かが笑った。「歯を磨き、ものを考える有機体は存在できない。この星は、多様な生命体から成り立つ一つの総合有機体だ」私は納得しこの星を去った。あるとき、私は彼らのことを思い出した。もしや、まだ生き延びている。そんな予感がした。私は、再び辺境のこの星にきた。大気汚染、温暖化。美しかった星は、汚れきっていた。原因は、あのとき不明になった有機体だった。星一面蔓延っていた。(編集室)


日本大学芸術学部文芸学科     2008年(平成20年)10月6日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.111
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2008後期9/22 9/29 10/6 10/20 10/27 11/10 11/17 12/1 12/8 
12/15 1/19 1/26 
  
2008年、読書と創作の旅

10・6下原ゼミ

10月6日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.出欠・連絡事項・ゼミ誌原稿提出

 2.次回ゼミ課題・配布と説明
    
 3.世界名作読み・家族観察(家族事件から)
 
  4.課題発表(「尾道幼女誘拐事件公判・第一審)
     
 
車窓・大阪の個室ビデオ火災放火の闇 
  
 またしても雑居ビル火災で15人という大勢の犠牲者がでた。またしても、というのは、7年前、新宿歌舞伎町で44人もの死者をだした火災があったからだ。あのときは飲食関係の店ということで、半数近くが若い女性だったように記憶している。今回は個室ビデオ店だった。まだ身元は確認中だが、ほとんどが男性客のようである。狭い場所で大勢の人が死ぬ。都市型火災の恐ろしさもあるが、憎むべきは火をつけた犯人である。
 放火の動機は、秋葉原の通り魔殺人鬼と同じ「生きているのがいやになった」という身勝手な理由である。不幸にして事件に巻き込まれた人たち。個室ビデオ店というから、ビデオ目的の客もいただろうが、多くは、1500円という安さで一晩を過ごせる。その気軽さだったようだ。たまたま終電に乗り遅れた、職場が近いので休憩所がわりに利用していた。なかには「住所には別人」「親と音信普通」(朝日3日)という不明の人もいたが、殆どが毎日を一生懸命に生きていた人たちだったらしい。いったい、どんな人生を歩んだら、こんな凶行ができるのか。こんな人間になれるのか。新聞報道のなかから探ってみた。放火犯(46)の人生は、2000年頃までは順調のようだった。「大手電機メーカーに勤め、大阪府内の一戸建て住宅に妻と子ども2人、母親と5人で暮らしていた(読売)」という。「2001年に退職、その前後に離婚し、1000万円あった退職金もすぐに使い果たした」母親が亡くなってから一戸建ての自宅を売却、マンションを購入したが、それも昨年4月に手放し、犯行時はワンルームマンション住まい。事件1週間前には、知人に「2000円でいいから貸してほしい」と頼むほど困窮していたという。(読売)推測だが転落の原因はギャンブルか。近所の人の話だと、パンツ一つで歩きまわるなど奇行が目立っていたという。犯行時の所持金はゼロ。犯人は、後悔を口にしているという。発作的で無差別殺人の意思はなかったと弁解。その真意は。人間の闇は深い。失った命を思うと罪状を考えるのも虚しい限りだ。 (編集室)


日本大学芸術学部文芸学科     2008年(平成20年)10月6日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.111
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2008後期9/22 9/29 10/6 10/20 10/27 11/10 11/17 12/1 12/8 
12/15 1/19 1/26 
  
2008年、読書と創作の旅

10・6下原ゼミ

10月6日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.出欠・連絡事項・ゼミ誌原稿提出

 2.次回ゼミ課題・配布と説明
    
 3.世界名作読み・家族観察(家族事件から)
 
  4.課題発表(「尾道幼女誘拐事件公判・第一審)
     
 
車窓・大阪の個室ビデオ火災放火の闇 
  
 またしても雑居ビル火災で15人という大勢の犠牲者がでた。またしても、というのは、7年前、新宿歌舞伎町で44人もの死者をだした火災があったからだ。あのときは飲食関係の店ということで、半数近くが若い女性だったように記憶している。今回は個室ビデオ店だった。まだ身元は確認中だが、ほとんどが男性客のようである。狭い場所で大勢の人が死ぬ。都市型火災の恐ろしさもあるが、憎むべきは火をつけた犯人である。
 放火の動機は、秋葉原の通り魔殺人鬼と同じ「生きているのがいやになった」という身勝手な理由である。不幸にして事件に巻き込まれた人たち。個室ビデオ店というから、ビデオ目的の客もいただろうが、多くは、1500円という安さで一晩を過ごせる。その気軽さだったようだ。たまたま終電に乗り遅れた、職場が近いので休憩所がわりに利用していた。なかには「住所には別人」「親と音信普通」(朝日3日)という不明の人もいたが、殆どが毎日を一生懸命に生きていた人たちだったらしい。いったい、どんな人生を歩んだら、こんな凶行ができるのか。こんな人間になれるのか。新聞報道のなかから探ってみた。放火犯(46)の人生は、2000年頃までは順調のようだった。「大手電機メーカーに勤め、大阪府内の一戸建て住宅に妻と子ども2人、母親と5人で暮らしていた(読売)」という。「2001年に退職、その前後に離婚し、1000万円あった退職金もすぐに使い果たした」母親が亡くなってから一戸建ての自宅を売却、マンションを購入したが、それも昨年4月に手放し、犯行時はワンルームマンション住まい。事件1週間前には、知人に「2000円でいいから貸してほしい」と頼むほど困窮していたという。(読売)推測だが転落の原因はギャンブルか。近所の人の話だと、パンツ一つで歩きまわるなど奇行が目立っていたという。犯行時の所持金はゼロ。犯人は、後悔を口にしているという。発作的で無差別殺人の意思はなかったと弁解。その真意は。人間の闇は深い。失った命を思うと罪状を考えるのも虚しい限りだ。 (編集室)


日本大学芸術学部文芸学科     2008年(平成20年)9月29日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.110
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2008後期9/22 9/29 10/6 10/20 10/27 11/10 11/17 12/1 12/8 
12/15 1/19 1/26 
  
2008年、読書と創作の旅

9・29下原ゼミ

9月29日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.出欠・連絡事項・ゼミ誌原稿提出

 2.次回ゼミ課題・配布と説明
    
 3.世界名作読み・ある店内観察(バイトに関連して)
 
  4.座談会・社会観察(政治への関心度「私の意見」アンケート)
     
 
車窓・『カラマーゾフの兄弟』新訳100万部突破!!
  
 先ごろの新聞(9月13日読売)に上記の見出しのニュースを見つけた。記事は、2段の僅かなものだが、ある意味で全面ぶっちぎりにも匹敵する、大きな出来事でもある。まず古典ものが、一時期にこれほどのベストセラーになること事態、奇跡である。むろん古典は流行に関係なく売られているわけだから、『福音書』を含め、全世界で売られているのは膨大な数だ。が、1年、2年の短期間にとなると、日本だけの現象かも知れないが驚嘆するしかない。それに加えて、このベストセラー本が、古典のなかでも、長い、くどい、暗い、重いで最も敬遠されているドストエフスキーともなれば、これを奇跡といわずしてなんと言おうか。この快挙を新聞記事は、このように報じている。
 光文社は13日、古典新訳文庫として刊行している亀山郁夫氏訳のドストエフスキー作『カラマーゾフの兄弟』が、全5巻合わせて100万部突破したと発表した。古典文学としては異例の売れ行きという。同書は2006年9月発売開始。好色で金に汚い父親の殺害事件をめぐる3兄弟の言動を通し、神、死、人間の罪などの問題を描いた19世紀ロシア文学を代表する長編。亀山氏は東京外語大学長で、新訳は、対話形式で進む言語のいきおいを生かした軽快さが特徴で、先行訳と比べ、読みやすく理解しやすいと評価されている。昨今の古典作品の新訳ブームのきっかけともなった。
 なぜ、ブームになったのか。諸説は多々ある。時代が要求した。訳が斬新で若者向けだった。などなどがあるが、肝心なのは、どれほどの人が、本当に実際に読みきるかである。
 この作品について記事では「19世紀ロシアを代表する」と書いてある。が、時代を超えて全世界文学の頂点にあることは、文学者のみならず多くの賢者が証明している。かのアインシュタインしかり、ニーチェしかりである。あのブッシュ・ローラ大統領夫人もいつも手元においてあるという。どこに魅せられるのか。秋の夜長、挑戦してみてください。


日本大学芸術学部文芸学科     2008年(平成20年)9月22日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.109
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2008後期9/22 9/29 10/6 10/20 10/27 11/10 11/17 12/1 12/8 
12/15 1/19 1/26 
  
2008年、読書と創作の旅

9・22下原ゼミ

9月22日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.出欠・連絡事項・ゼミ誌原稿提出

 2.後期ゼミについて
    
 3.私の夏休み(どんな2008年の夏でしたか)
 
  4.テキスト読み・法廷作品「あなたなら、どんな判決か」
     
 
     車窓 2008年の夏に想う
 
 2008年の夏は、一口に言えば大変な夏だった。地球温暖化の危機を感じた連日の酷暑。ノアの大洪水を思わさせた局地への集中豪雨。東西冷戦ふたたびの緊張が甦ったロシア軍のグルジア侵攻。ワイダーの『地下水道』のような日本経済。年金、医療、教育、拉致、消費税どこまで行っても出口なし。まさに一寸先は闇だった永田町。「あなたとはちがうんです」謎の言葉(ギャグ)を残した福田首相の退陣。問題山積のままはじまった衆院選挙への狂想曲。米国からは大統領選挙の喧騒と大手企業の倒産。日本社会は、底なしの疑惑沼。毒ギョウザも未解決、うなぎ、牛肉産地疑惑。そして、事故米やカビ米食料転売。(謝罪か弁解か、立志伝社長たちの容姿、話し方が皆同じなのはなぜか?)お役人の職務怠慢天国。とどめは農水大臣のジタバタ辞任。場外では土俵外勝負が注目された大相撲と大混乱がつづいた。
 兎に角、今夏の車窓は、生活ものから自然災害ものなど、あらゆる分野の映画の一コマを観るようだった。が、その大半は、後味悪いものばかりだった。何か、爽やかな風を感じる心楽しめる車窓はなかったものか。あるとすればテレビ観戦した北京五輪か。いまも選手たちの活躍、観客の歓声が目蓋や耳に残っている。口パクや演出過剰はあったが、史上最多となる204の国・地域からの参加。競技も最多で300種目を越えた。いろんな問題があった。が、17日閉会のパラリンピック共に成功裏に終わった。まずはメデタシである。
 しかし、この世界の平和と人類の幸福を願う祭典も、現実は、理念とはほど遠いものだった。結局は、開催国の国家高揚と、各国のメダル数獲得合戦だった。「屁のつっぱりにもならんですよ」石井選手が笑いとばしてくれたが、成功の陰で考えるところが多かった五輪である。北朝鮮問題、チベット騒動、パキスタン、タイ、アフガンに青春を捧げた日本人青年の死。車窓を騒がしく暑苦しかった2008年の夏が過ぎてゆく。台風13号で涼しくなった夜。ヘミングウェイの『危険な夏』を思い出して書棚に探した。

日本大学芸術学部文芸学科     2008年(平成20年)7月14日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.108
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2008前期4/14 4/21 4/28 5/12 5/19 5/26 6/2 6/9 6/16 6/23 
6/30 7/14 
  
2008年、読書と創作の旅

7・14下原ゼミ

7月14日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.出欠・連絡事項・司会進行者指名・ゼミ誌作成報告

 2.課題提出原稿発表&前期回顧(出席率・課題原稿提出率など)
    
 3.なぜ「継娘殺人未遂事件」は無罪になったか

  4.紙芝居『少年王者』「生いたち篇」残り「赤ゴリラ篇」
     
 
     車窓 前期を振り返る
 今日は、7月14日、前期ゼミ最終日である。開講した4月14日が、昨日のことのように思える。16名の受講生、最近になってようやく名前と顔が一致した人もいる。欠席の多い人は、まだ怪しい。それなのに・・・・ただ歳月の流れる速さに驚くばかりである。
 時空を旅するゼミ2号の旅は、半行程を終えた。隊員16名全員、いまのところ1人の不明者、落伍者もでていない。旅程も、全員が揃わないことを除けば順調である。隊員たちのあいだも、出発時は、ゼミ誌委員も遠慮し合ってなかなか決まらない状態であったが、気がつけば、それぞれが自主的に役を引き受け、お互い融和協力意識も芽生えている。
 そんな雰囲気を察してか6月30日に所沢「笑笑」で懇親会が開かれた。出席者は、それぞれの都合もあって全体の三分の一強の6名と少なかったが、その分、より深い親交を結ぶことができた。宴席では、家族の話、学校の話、自分の目標や血液型の話など多彩であった。班長の小黒君から、昨年学業優秀でこのたび特待生に選出されたとの祝事報告もあった。前期を飾るめでたい出来事である。楽しい時は短い。皆「もう時間か」と、名残惜しそうだった。こんどはもっと多くの人にを合言葉に散会した。幹事さんご苦労様でした。
 順風満帆のゼミ。しかし、車窓は穏やかではなかった。8月の北京オリンピックに向けてアテネからスタートした聖火ランナー。各国での反対運動騒ぎに油を注いだ中国のチベット暴動。日本では、善光寺が辞退した。漸く鎮静化に向かった。しかし、一難去って、また一難。中国四川省でM7の大地震。なんと何万人もの人が亡くなったのである。そして、その復興・救援も遅々として進まぬうちに、こんどは日本の東北でM6の大地震。相次ぐ自然災害の恐ろしさ。しかし、それにも勝るとも劣らないのは、人間社会だ。暗澹とした事件、出来事がつづく。父殺し、子殺し、兄弟殺し。こんな家族から街にでれば、「誰でもいいから殺したかった」そんな輩が走り回っている。商品も料理も偽物だらけ。げに恐ろしや人間社会。後期の車窓は、楽しい、美しい風景であって欲しいと願う。      (編集室)


日本大学芸術学部文芸学科     2008年(平成20年)6月30日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.107
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2008前期4/14 4/21 4/28 5/12 5/19 5/26 6/2 6/9 6/16 6/23 
6/30 7/7 7/14 
  
2008年、読書と創作の旅

6・30下原ゼミ

6月30日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.出欠・連絡事項・司会進行者指名・ゼミ誌作成報告

 2.課題提出原稿&テキスト『城の崎にて』読み「生き物観察」
    
 3.「単純な、しかし厄介な事件」観察「裁判員制度擬似体験」

  4.名作「ニコライが読む古事記」「日本のはじまり観察」読み
     
 
     車窓 北朝鮮問題観察③
 最近の世界ニュースは米国の北朝鮮へのテロ支援国家解除である。6月24日読売新聞は朝刊トップに「テロ指定解除26日着手 米、北の核申告と同時」を掲載。朝日新聞は27日に「北朝鮮テロ指定解除表明」をと、このところ北朝鮮関連の記事が目立つ。これは6カ国会議で、核無能力化をゴネていた北が、突如非核化計画を申告し実行したことにある。内外とも問題を抱える米国は、形だけにせよ爆破を米CNNがテレビ中継したことで、テロ指定を解除したい意向だ。日本政府も、これに追随するようだ。福田首相は、23日の記者会見で「停滞する日朝関係にも前進の兆しが見え始めている」と話した。北の核施設爆破は、プロパガンダなのは、誰がみてもあきらかだ。が、核廃絶を願う世界にとっては、それでも喜ばしいニュースのようである。それにしても、米国は、なぜこうも容易く北の策略にはまったのか。日本としては、米国のテロ解除を作戦とみたい。(例えば新証拠を握っていて、後で攻撃の材料とする。イラクの失敗の轍は踏まないためのである)。そうでなければ、到底承諾できるものではない。今回の核施設爆破は、細菌で汚れた貯水槽がある、皆が心配し恐れていると騒いだら上の濁りだけを、すくいとった。そんな見え透いた行為である。
 日本にとって北がテロ支援国家でなくなるのは、二つしかない。一つは1970年3月31日に起きた「よど号ハイジャック事件」。午前7時21分乗員7名、乗客131名を乗せた日航機「よど号」は福岡空港を目指して羽田を飛び立った。しかし、富士山上空でハイジャックされた。犯人は9人の赤軍派。よど号は、福岡空港と韓国金浦空港で交渉のため40時間留まった後、犯人の希望通り北朝鮮の平壌に向った。犯人たちは、犯罪者にもかかわらず、北朝鮮では、英雄視された。彼らテロ犯の無条件の返還である。もう一つは、拉致被害者、全員の即刻返還。アメリカが拉致に鈍感なのは、自分たちもつい最近までアフリカから人をさらってきて働かせていた。そんな歴史があるからか。もし、米国のテロ支援国家解除が本当なら、残念ながらそうと疑ってしまう。

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