2009年4月アーカイブ
日本大学芸術学部文芸学科 2009年(平成21年)4月27日発行
文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.122
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
編集発行人 下原敏彦
2009前期4/20 4/27 5/11 5/25 6/8 6/15 6/22 6/29 7/6 7/13
2009年、読書と創作の旅
4・27下原ゼミ
4月27日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2
1.2009年の旅、参加者自己紹介(司会・班長指名・編集委員決め)
2.読書について(嘉納治五郎「青年訓」)
3. テキスト読み(車内観察等)・社会観察・表現・課題配布
今日から授業開始します。皆さんには、所沢校舎で学ぶのは今年で最後となります。目標のある人、ない人それぞれと思います。が、このゼミで実りある一年にしましょう。
1.「2009年、読書と創作の旅」について
下原ゼミは「2009年、読書と創作の旅」と銘打って読むことと書くことの習慣化をめざします。その基盤となる観察力と表現力を培うため毎回、課題を発表し批評しあって授業をすすめます。課題は観察作品です。そのテキストは、主に志賀直哉の車中作品です。が、他の短篇名作や新聞記事もとりあげます。常時の提出課題は以下の通りです。
①車中観察(電車の中の事)②自分観察(一日の記憶)③新聞記事(コラム・社会評)④他、テキスト作品や紹介された名作感想など。
2.読書の必要性&社会観察
本日は、最初なので「読書の必要性について」知ってもらいます。併せて社会観察も。
読書の必要性については、明治の教育者・嘉納治五郎の「青年修養訓」を紹介しています。社会観察では、憲法記念日も近いので、の現行日本国憲法のうち、第九条など注目されているところを読んでみます。
3.表現力・描かれたものをどう観せるか
ものを書いたり描いたりするのは、発表するためです。他者に読んでもらったり観てもらったりするためです。観て、読んでもらってなんぼ。表現力を培うために紙芝居に挑戦します。作品は戦後すぐベストセラーになった山川惣治画・作『少年王者』です。時間が余ったら、時間まで口演します(毎回)
□ゼミの評価基準は不可・可(60~100)とします。評価方法は、次の通りです。
課題の提出原稿数+出席日数+ゼミ誌原稿+α=評価
日本大学芸術学部文芸学科 2009年(平成21年)4月20日発行
文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.121
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
編集発行人 下原敏彦
2009前期4/20 4/27 5/11 5/25 6/8 6/15 6/22 6/29 7/6 7/13
2009年、読書と創作の旅
4・20下原ゼミ
4月20日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2
1.ゼミ内容&「2009年、読書と創作の旅」について
2.テキスト&担当者の自己紹介
下原ゼミの授業内容
皆さん、こんにちわ ! 2年生のゼミは、どこにするか。自由選択となると迷うところです。公表のシラバスも抽象的過ぎて不明な点が多いと思います。
今日のこの説明会で、わからないところ、知りたいところをしっかり確認して自分に合っているか考てください。でないと、旅の途中で「間違った船に乗ってしまった」と悔いることになります。納得した選考で、2009年の旅路を楽しく有意義なものにしましょう。
と、いうわけで今一度、もう少し詳しい当ゼミの授業内容を説明します。表現的にシラバス通りではないかも知れませんが、内容的には、同様ですので了解ください。
授業テーマ「観察と表現」について
まず、はじめに当ゼミの授業テーマですが、「観察と表現」を掲げています。
〈なぜ「観察」と「表現」か〉文芸学科を志望する人は、むろん、なんとなく入ってしまったという人もいるでしょうが、ものを書きたい、そんな人が大半ではないかと思います。創作にしろ、ノンフィクションにしろ、ものを書くためには、どうすればよいか。それには、まず「観察すること」が最重要かと思います。百聞は一見にしかず、という言葉がありますが、自分の目でしっかり見ること。ものを書くためには、それが必要になります。
しかし、見るといっても、ただ見るたけでは、傍観するだけになってしまいます。花見の季節ですが、花を見て、ただきれいだと思うのは、単なる観客です。物書きを志す人は、それではいけません。どんな花か、光や肥料は足りているのか、樹のなかに虫はいるのかなどを瞬時の間に看取しなければなりません。もっとも「観察」は、物書きだけに必要なことではありません。あらゆる人に必要です。特に人間の生活に関わる人たちにとっては、最重要な事柄です。先ごろ児童虐待で3歳の子供を殺した夫婦のニュースがありました。子供が通っていた保育園の園長は、体の傷から二度、児童相談所に連絡したそうです。しかし、両親に面会した所長は、二度とも、そのような事実なし、と報告したのです。観察力の無さが起こした悲劇は、後を絶ちません。