2005年4月アーカイブ

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日本大学芸術学部文芸学科     2005年(平成17年)3月 15日発行
号外!文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
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2005年、読書と創作の旅への誘い

~2005年文芸研究Ⅱ下原ゼミ受講希望の皆さんへ~

一年の計はゼミ選びにあり

2005年文芸研究Ⅱのゼミ受講を希望する皆さん、こんにちは!!気がつけば3月もすでに半ば。所沢に吹く秩父おろしの寒風にも春の気配を感じる季節となりました。桜花に彩られる文芸棟に花影を踏んで通う日までもうすぐです。

さて新学期まで、あとわずか。2005年の今年は、どんなことを目標に勉強をするのか、したいのか。実りある学生生活を送るには、授業の他に自分に合ったゼミ受講も、重要なターニングポイントのひとつです。一年間終えたときに「失敗した」と後悔しないように、しっかり検討してください。一年の計はガイダンスにありです。

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ゼミ初日の下原ゼミガイダンスは、下記の要領で行う予定です

1. 2005年の下原ゼミについて・・・・・・・・読書と創作の旅
2. テキストについて・・・・・・・・・志賀直哉短編作品のこと
3. 「2005年、読書と創作の旅」日程・・・・・・前期授業計画
4. 提出原稿について・・・・・・ゼミ発表と「下原ゼミ通信」掲載
5. 講師自己紹介・・・・・テレビ使用可能ならビデオ観賞(日本テレビ番組「おんぼろ道場再建」2002年7月放映)


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下原ゼミの目標

【年間目標】 読むこと、書きことを習慣化する。
(「下原ゼミ通信」で提出原稿を発表していく。)

【前期授業】志賀直哉の短編作品をテキストに観察力と想像力を培います。

【後期授業】新聞記事をテキストに批評眼を育てます。

土壌館創作道場は文章修業の場です。決められた字数で自分の考えをどれだけ表せるか ― それも稽古のひとつです。

例・その3 テレビのニュースで見たことを 500字にまとめる

数年前になるが、夕食の後、娘がめずらしくNHKニュースを食い入るように見つめていた。コソボ紛争のニュースで、丘の家々が燃えていた。遠い国の不可解な戦争だが、彼女は何を感じたのか興味あった。つぎの日、娘は、見たときの気持ちを500字にまとめてみたといってもってきた。

投稿記事紹介

燃える家々に「戦争」を実感                                下原モモ

 先日、テレビのニュースで、ユーゴ軍の攻撃を受けたコソボ自治州にある農村の姿が放映されていた。そこには、白いしっくいの壁に赤い屋根をした、おとぎ話に出てくるような愛らしい家々が、緑の中にたたずみ――そして、燃えていた。
 私は戦争というものを、歴史上の事実としてしか知らない。日本も半世紀ほど前、第二次世界大戦の戦火の中にあったと習っても、そして現在でも世界各地で戦争が進行中だと耳にしても、不審船が日本海に出没したと知っても、さほどの実感というものがわかなかった。
 しかし、あのテレビ映像はねあまりに悲しかった。受験勉強中に世界史を学び、第二次大戦のビデオも見た。しかし、どんな悲惨な記録や映像よりも、美しい農村の家々が燃やされている光景は、何より衝撃的だった。
 私は戦争の残酷さを、初めて実感として垣間見たような気がした。戦争を全く経験していない私たちの世代が、これからの日本と世界の未来を担っていく。
 私は今春から大学の文学部史学科一年生。大学では歴史としての戦争を学ぶだけでなく、本当の平和を手に入れるためには、どうすべきか、そして自分には何ができるのか、考えてみたいと思う。

(1999年4月3日 朝日新聞「声」欄)

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