2010年5月アーカイブ


日本大学芸術学部文芸学科     2010年(平成22年)5月31日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.147
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
前期4/19 4/26 5/10 5/17 5/24 5/31 6/7 6/14 6/21 6/28 7/12 
  
2010年、読書と創作の旅

前期の観察旅は、(車中と日常) & 名作読み・発表・表現
5・31ゼミ

5月31日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。ゼミ2教室

1.「2010年読書と創作の旅」車窓、課題発表&合評
  2. テキスト「出来事」(車内観察)
  3. 古典自分観察・書簡小説「あしながおじさん」ウェブスター
  4. ゼミ前期中日・中休み演芸(口演「少年王者」紙芝居)
      

5・24ゼミ観察    大雨予報の為か出足鈍く
 この時期にしては大雨の予報。口蹄疫拡大で騒然とする九州地方は昨夜来から激しい雨とのこと。関東地方は夜になって雷雨になる模様。そのせいか、この日のゼミ欠席者は三分の一にのぼった。最後の登録者の伊藤果南さんは昨夜メールで課題提出。先陣を切って最初の課題提出者1号となった。が、本人欠席で発表ならず。

ゼミ合宿希望者0で、実施無しに決定 
毎年、夏休みに行う課外授業、いわゆるゼミ合宿について、後藤副班長が実施の有無を採決した。17日と24日で2度目の審議だった。結果は、前回同様、実施賛成0、消極的7名(出席者全員、前回17日も8名全員)ということで、今年2010年のゼミキャンは無しということに決定。実施すれば「時空探検」と銘打って1845年5月6日のロシアペテルブルグにタイムスリップする予定だった。若き詩人と作家が体験したあの感動を実体験し、文豪ドストエフスキー誕生の瞬間を目撃する計画だった。が、やはり7時間の時空旅は、敬遠されるようだ。(ちなみに過去の探検隊は、無事、21世紀に生還。その感動体験を得たい人は、テキストとした『貧しき人々』を独自に挑戦してみてください。)
テキスト『網走まで』について、比較・漱石『三四郎』
 『網走まで』の網走とは何か。イメージ、理由、同時期に発表された夏目漱石の『三四郎』との違いなどを議論した。印象は、40年前も今も「刑務所のある町」は、変わらないようだ。なぜ、網走に、は、だいたいのところ同じであった。「地の果て」の効果である。辺鄙なところに行く母子への同情。国策で富国強兵をすすめる明治政府への批判など。
出席者は7名
 この日の参加者は7名。ゼミ開始から5日が過ぎた。旅スタートから4日。同行者は決まった。が、11名全員そろうのはなかなかである。司会進行は、伊藤光英さん。
・藤重はるか  ・後藤大喜  ・重野武尊  ・竹下晃誠  ・阿井大和  
 ・伊藤光英   ・越智美和


日本大学芸術学部文芸学科     2010年(平成22年)5月24日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.146
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
前期4/19 4/26 5/10 5/17 5/24 5/31 6/7 6/14 6/21 6/28 7/12 
  
2010年、読書と創作の旅

前期の観察旅は、(車中と日常) & 名作読み・発表・表現
5・24ゼミ

5月24日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。ゼミ2教室

1.「2010年読書と創作の旅」車窓、課題発表
  2.古典車内観察・名作「心と手」O・ヘンリー
  3. テキスト(車中作品「網走まで」)の比較作品『三四郎』
      

ある日の午後観察
わがこころ高原に
17日は途中、小用があったので、早めに家を出た。用事は簡単に済み、運よく快速、急行と乗り継げたので航空公園駅には、2時前に着いた。いつもより1時間も早かった。
五月晴れの午後は、物憂くもあるが、和やかだ。駅前を行く人々の歩が緩慢に見える。
繁れる街路樹や公園の若葉に「書を捨て街にでよう」こんな言葉が頭をよぎる。『異邦人』のムルソーは、太陽が暑すぎて殺人を犯したと供述した。が、5月の太陽は、心地よすぎて、何処かへ誘う。私の足は、ふらっと公園の森に向かった。
汗ばむような日差しだったが、公園の森の中は、三々五の散歩者。若いカップルあり、中高年者夫婦あり、ジョギングする人ありだった。小犬を連れた老夫婦が、道端の草の上に新聞紙を敷いて休んでいた。しばらく行くと林の中に広い草原の広場があった。観客席のベンチに若者が二人、上半身裸で寝転んでいた。一人は本を読み、もう一人は眠りこけていた。広場は人気はなく、静まり返っていた。時おり聞こえてくる私鉄電車の轟音もより静寂を深めた。私は、ベンチに座って、ぼんやり時を過ごした。鳩が二羽、足元で無心に地面をつついていた。一陣の風が通り過ぎていった。心地よい風だった。私は、いつの間にか信州の実家の裏山を歩いていた。風が吹くたびに木漏れ陽が雨のように降り注いだ。
話し声で目が覚めた。が、一瞬の間、私の心は信州の裏山にあった。起きて振り向くと老夫婦が、通り過ぎたところだった。3時のスクールバスに間に合いそうだ。私は、公園をでた。ゼミの終わり、後藤君が本を返しにきた。先週紹介の名作、気に入って古本屋で見つけたといった。サローヤンの『わがこころ、高原に』だった。昭和47年(1972年)発行で、当時270円の本だったが1000円の値がついていた。(早川書房)価値は、微妙か。

出席者は8名
 この旅の参加者者11名で、ほぼ決まりのようだ。はじめて今日からの同行者が一人。が、3人欠席。この日の参加者は、次の8名の人たちでした。
・伊藤果南  ・後藤大喜  ・重野武尊  ・竹下晃誠  ・高口直人
  ・阿井大和  ・塚本笑理  ・伊藤光英


日本大学芸術学部文芸学科     2010年(平成22年)5月17日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.145
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
前期4/19 4/26 5/10 5/17 5/24 5/31 6/7 6/14 6/21 6/28 7/12 
  
2010年、読書と創作の旅

前期の観察旅は、(車中と日常) & 名作読み・発表・表現
5・17ゼミ

5月17日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。ゼミ2教室

1.「2010年読書と創作の旅」・車窓「米軍基地問題」について 
  2.名作観察・詩編と古典SF「フェッセンデンの宇宙」
  3. 車中観察テキスト読み(車中作品「網走まで」)・比較作品『三四郎』
      

5・10ゼミ、観察ニュース(概略)

連休明けの不安
 連休明けのゼミは、やや不安である。五月病の発症者が気になるからである。五月病とは、1968年(昭和43年)に流行語となった単語で、この時期にあらわれる現象をいう。4月は、新しい人生の出発。だれもが(そうでない人もいるが)学校、職場に張り切っていく。その疲れがどっとでるのと連休が重なってあらわれる現象。症状は、倦怠、憂鬱、厭世である。若葉繁る季節。鳥は歌い、生き物は戯れる。人間だけがふさぎの虫にとりつかれる。そんなことで、この時期、学校や職場に行かなくなる人が多いという統計がある。
さて、この観察旅「2010年」を選んだ8名の同行者たちはどうか。
登録者11名か・・・出席は7名
 登録者、3名増えて11名と知る。が、この日、参加は7名だった。五月病と関連ないことを祈るばかりである。参加者は、次の人たちです。
・藤重はるか  ・後藤大喜  ・越智美和  ・竹下晃誠  ・高口直人
     ・阿井大和   ・立川陸生
車窓観察「普天間米軍基地」についての所感
 ゆっくり走りだした車窓だが、遠くはギリシャの経済破綻から、近くは上海万博、韓国軍哨戒艇沈没、北朝鮮の関与濃厚と騒々しい。そのなかで連日、映る「普天間米軍基地問題」について、この出来事をどう見ているのか。関心あるのか、自分の考えを述べあった。
名作観察、『空中ぶらんこ』に衝撃
 最初の名作観察は、サローヤンの『空中ぶらんこに乗った大胆な青年』をとりあげた。以前は、最初にどんな名作を紹介しようと迷った。が、このごろは、ウイリアム・サローヤンのこの作品にしている。少々、短いのが物足らないが、文学を志すものにグサリとくる作品。日本のお座敷文学とは違うなにかがある。それを知ってもらえたら、と思った。「気に入りました。もっと早く読みたかった」そんな感想に頼もしさを感じた初日であった。


日本大学芸術学部文芸学科     2010年(平成22年)5月10日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.144
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
前期4/19 4/26 5/10 5/17 5/24 5/31 6/7 6/14 6/21 6/28 7/12 
  
2010年、読書と創作の旅

前期の旅は、観察(車中と日常) & 名作読み・発表・表現
5・10ゼミ

5月10日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。ゼミ2教室

1.「2010年読書と創作の旅」車窓・「米軍基地問題」について 
  2.名作「空中ぶらんこに乗った大胆な青年」読みと感想
  3. テキスト読み(車中作品「網走まで」、見本作品)・感想 比較『三四郎』
      

4・26ゼミ、観察

8名の登録者、正副班長、ゼミ誌担当者即決
 提出された希望カードは4月21日時点4名だった。26日、最終希望者は何人か・・・あれこれ思い巡らしての車中だった。航空公園駅下の書店に寄る。新刊『山脈はるかに』の店頭置き依頼。ゼミ参加者4名増加で8名。旅するには、最適人数。正副班長・ゼミ誌正副編集長は、ほぼ自発的に決定。幸先よい旅立ちとなった。
 月日は百代の過客...2010年の旅の無事と目標成就を祈願して記念撮影。同行者全員