2009年1月アーカイブ


日本大学芸術学部文芸学科     2009年(平成21年)1月26日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.120
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2008後期9/22 9/29 10/6 10/20 10/27 11/10 11/17 12/1 12/8 
12/15 1/19 1/26 
  
2008年、読書と創作の旅

1・26下原ゼミ

1月26日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.「2008年、読書と創作の旅」を終えて

 2.名作読み『最後の授業』、『にんじん』「自分の考え」
    
 3. お別れ会「小倉百人一首」
     
 
この一年、楽しい旅ができました。ありがとうございました !

「2008年、読書と創作の旅」を終えて
    
 昨春、16名の皆さんと出発した旅路。早いもので、今日が最後となりました。まさに光陰矢のごとし。月日の流れの速さに驚くばかりです。なによりも一人の落伍者もなく、16名全員が、この日を迎えることができたことに感謝します。
「読書と創作」で人間の謎に迫りたい。それによって書くことと読むことを習慣化する。それが、この旅の目的でした。いま旅を終え、去来する様々な思いがあると思います。退屈な旅だった。よくわからなかった。そんな悔いにかられる人もいるかもしれません。が、私個人の感想は、本当にあっという間の一年間でした。時は、楽しいほど短いといわれます。いまはこの言葉が真実であることを、願って止みません。
 2008年の車窓は、食品偽装、四川省大地震、北京五輪、米国黒人大統領誕生、百年に一度の大不況、などなど様々な光景がありました。
 人間の謎、宇宙の謎を文学のなかで追い続けたSF作家アーサー・C・クラークが亡くなったのも今年でした。なぜ、この宇宙はあるのか。この銀河の中心には何があるのか。そして、人間はなぜいるのか。想像と空想を駆使しても、なお届かぬはるかな謎です。が、「車中観察」は、その謎解明の一歩です。目の前の空間は、過去にも未来にも通じています。何千光年の宇宙にも。これからも観察することで真理を探究していってください。

それでは、みなさん体に気をつけて、更なる成長を

  (土壌館・館主)



日本大学芸術学部文芸学科     2009年(平成21年)1月19日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.119
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2008後期9/22 9/29 10/6 10/20 10/27 11/10 11/17 12/1 12/8 
12/15 1/19 1/26 
  
2008年、読書と創作の旅

1・19下原ゼミ

1月19日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.冬休み報告 出欠・連絡事項・その他

 2. ゼミ雑誌『ドレミファそらシド』合評
    
 3. 「小倉百人一首」時間あれば
     
 
2009年、本年もよろしくお願いします
    
 今年、成人式を迎えた皆さん、おめでとうございます ! 既に過ぎている人もいるかも知れませんが、基準的には大学二年生が、この節目に当たります。ということで、ゼミの皆さんのほとんどは、大人になったわけです。成人と聞くと選挙、裁判員、少年Aではなくなる、酒、煙草、成人向けなどなどが連想されます。いずれも自己責任が問われるものばかりで重い気持ちになります。が、それを感じさせないのは「自由」への出発だからです。もう押さえつけるものも庇護するものもいません。1人の人間となって自由という名の荒野に旅立ったのです。誘惑と危険に満ちた世界ですが皆さんの更なる成長を祈願します。
 ところで新成人になった人は、全国では何人か。正確には1988年4月2日~89年4月1日までに生まれた人だが。この人たち88年生まれは133万人。推計を開始した68年以降、最も少ないという。なぜ、少ないのか。彼らが、生を得た時代から、その謎が解けないだろうか。1987年から88年、89年は、どんな時代だったか。その車窓を覗いてみた。
 まず、皆さんが宿った時代1987年は「ワンィンガー・ツーフィンガー」「懲りない面々」「ノリサメ」「サラダ記念日」「朝シャン」「マルサ」「国際国家」「ジャパンバッシング」「美少女」「オモコワ現象」「売上税」。1988年は「しょうゆ顔・ソース顔」「今宵はこれまでにしとうございます」「ハナモク」「濡れ落ち葉」「カイワレ族」「5時から男」「ドーピング」「リゾート」「言語明瞭意味不明」「ドライ」なぜ、こんな言葉が流行語となったのか。ほとんど忘れてしまって思い出せないが辛うじて覚えているのがいくつかある。「懲りない面々」は、多分、安部譲二の『塀の中の懲りない面々』がベストセラーに、「サラダ記念日」は、そんな現代風短歌が注目されたから。「朝シャン」は、朝、髪を洗う女子高生が増えた。「濡れ落ち葉」は、定年になってから妻にまとわりつく亭主。などなどである。全体的に、パッとしない世相だったようだ。売上税、つまり消費税がかけられるようになったのも、この年からである。皆さんが「おぎゃあー」と世に出た89年も「ホラービデオ」「おたく族」と暗い。若者が結婚するのをためらった時代だったようだ。昭和はふた昔前になった。  (土壌館)