2009年7月アーカイブ


日本大学芸術学部文芸学科     2009年(平成21年)7月13日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.131
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2009前期4/20 4/27 5/11 5/18 5/25 6/1 6/8 6/15 6/22 6/29 7/13  
  
2009年、読書と創作の旅

7・13下原ゼミ

7月13日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2

 1.出欠・ゼミ通信配布・連絡事項(班長から)・司会進行指名 
 
 2.ゼミ誌作成について&課題・観察作品発表(未発表作品)

 3.座談会「前期を振り返る」各観察度のチェックなど

 4.名作紹介:詩編・書簡小説『あしながおじさん』ウェブスター
      

前期観察と夏休み
 2009年、読書と創作の旅も、本日、中間点に達した。車窓は、政界混迷や新インフルエンザ騒ぎの狂騒曲が続いた。が、旅は順風満帆、たちまちの四ヶ月だった。この月日、早く感じたということは、楽しい旅であったという証でもある。まずは同行者諸君に感謝である。
 総じてよい旅ではあったが、百点満点といかないのは世の常。少しばかり残念なのは、登録者全員が、まだ揃って顔見せできていないことである。全員の写真撮影がお預けとなっている。しかし、これも後期の希望とすれば、またそれでよしである。
 テキスト読みと名作読みは、予定通りとはいかなかった。が、課題提出は順調だった。「車内観察」、「一日観察」を中心に、さまざまの観察課題で、書くことの習慣化は、だいぶん身についてきたのではないか。そのように感じるところである。夏休み、せっかく芽生えた習慣化を枯れさせないためにも、日記や観察など書いて下さい。
気になるニュース
 前期も無事に終わりそうで、ほっとしているが、気になるニュースもある。7月6日の朝日新聞夕刊の一面に、こんな4段抜き大見出し記事をみた。「友達いなくて便所飯 ? 」昼食を「一人で食べる姿、見られたくない」の理由からトイレで隠れて食べる人がいる。それを禁止するポスターがトイレに貼られてあった。学校側が貼ったのではないというから、学生のいたずらだろう。が、本当にそんなことがあるのだとすれば、情けないが可哀そうな話。そんな記事内容だった。トイレで一人寂しくお昼を食べる。実は、この話、15年前に聞いたことがある。高校でPTAをしていたとき、ある大会の講演で聞いた。友人ができない女子生徒が、一人でトイレで弁当を食べていた。聞くも涙、語るも涙の話だった。そろいのミニスカートの制服をみればわかるように、高校生は、まだ自己が確立していない。ひたすら群れのなかに入り込もうとする。入れなかった子は一人で隠れて食べるしかない。当時は、そう理解して気の毒に思った。あれから15年、こんどは大学生とは。一人で本を読みながら食べている姿が似合うと思ったが・・・。『遥か群衆をはなれて』の題名のように。