土壌館創作道場
土壌館創作道場は文章修業の場です。決められた字数で自分の考えをどれだけ表せるか ― それも稽古のひとつです。
例・その4 対立している意見に自分の考えを 500字で述べる
いまでは、カラー柔道着は普通のことになっている。が、11年前は、大論争だった。柔道着のカラー自由化を推進する外国。断固反対する日本。意見は対峙するばかりだった。私は、カラー化に反対だったが、発案者の意見を新聞で読み翻然、自分の考えをまとめた。
投稿記事紹介
1994年5月17日 朝日新聞「声」欄
カラー柔道着 いいじゃないか 下原敏彦
11日の本紙「主張・解説」欄の「カラー柔道着 問われる国際化」を読んで、東京五輪無差別金メダリストのヘーシンク氏の言葉に納得した。
私は柔道を愛する一人として、これまで柔道着のカラー自由化には反対だった。この問題が話題になるたびに「やっぱり西欧人には、わからん」と、はじめから聞く耳は持たなかった。柔道着は「白」以外にない。これが日本の「伝統文化」であり「武道の魂」である。こんな固定観念に凝り固まっていた。これがどんなに傲慢で不遜な考えかわからなかった。
だが本紙紙面でカラー柔道着の発案者であるヘーシンク氏の「子供たちのため、柔道の将来のためにいい、と思うことをやっているだけ」という素直な信念を知って、はじめて目からウロコが落ちた。
今日の柔道界に、この言葉に勝る言葉があるだろうか。今や試合で勝つ者だけを育てることにきゅうきゅうとする日本柔道。創始者嘉納治五郎の説く「融和協調・自他共栄」の精神からは程遠い感がある。思えば柔道こそ、あらゆる伝統文化の殻を打ち破って生まれたスポーツではなかったのか。人類の向上と全世界の平和を目指す手段としての競技であったはずである。白の青のと外見の論争する前に、柔道の根本精神とは何であったか、いま一度、初心に帰って考えてみてはどうだろうか。
わたしも同感です。
反面、いまだに青色には若干違和感を感じるのも事実です。
・・・私も固定観念に凝り固まっているかも。。。