2005年3月アーカイブ

土壌館下原道場・読本

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「土壌館下原道場の柔道精神は、この戯曲の中にあります。」

脚本 下原敏彦
獅子と白菊 (富田常雄原作『姿三四郎』より) 

                           

登場人物

矢野正五郎(劇中では浩)   大学講師
矢野須賀子          その姉
矢野一作           その父
戸田雄次郎          正五郎の弟子
椿 早苗           須賀子の友人
泉 専太郎          巨漢の柔術家、正五郎の兄弟子
その他            その手下一、二
看護婦(声のみ)               
時代背景 明治十四年

――― 一幕 ―――

東京の佐賀町にある矢野正五郎の部屋。周囲には本棚とうず高く積まれた洋書の山。右端に文机。その上にランプ。正面に障子戸。

第一場

季節、夏の終り。時間は夕方。矢野は文机前に正座して書きものをしている。部屋中央で戸田が稽古着を縫っている。外からはひぐらしゼミの鳴き声。
矢野はかすりの着物を、戸田はかすりの着物に袴をはいている。

土壌館下原道場

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IMG_0052.JPG
 土壌館の道場で稽古に励む門下生たち

午後のひとときだろうか、路地に並ぶ子どもたち。近所の主婦たち、裏庭の老婦人。都会の下町のようだが、どこかのどかだ。36枚の1枚1枚に撮られたある国の静かな小さな町の日常風景。「ホテルもない町なんですよ」と撮影者は笑う。

しかし、不思議と旅愁となつかしさを誘う。「尾道に行ったことがあります」撮影者の言葉に、ふと林芙美子の「風琴と魚の街」を思い出した。そうして写真の鄙びた教会と駄菓子屋のある街が、なぜか重なった。ゆったりとした時間の流れ。が、外にでると銀座の喧騒に現実に帰った。