文芸研究Ⅱ 下原ゼミ通信No.228

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日本大学藝術学部文芸学科     2013年(平成25年)11月11日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.228
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                             編集発行人 下原敏彦
                              
9/30 10/7 10/21 10/28 11/11 11/18 11/25 12/2 12/9 12/16 
1/20  1/27 
                 「2013年、読書と創作の旅」の皆さん

11・11ゼミ


 1.ゼミ誌編集経過報告、12・9の3ゼミ合同発表会、模擬裁判稽古
 2. テキスト読み『剃刀』3. 判決は(HP見本)4. 人生相談(新聞回答)
         

10・28ゼミ報告

【模擬裁判稽古】  模擬裁判 寸劇稽古  参加者3名で

 12・9の3ゼミ合同発表に向けて初の寸劇稽古。一名、欠席で齋藤さん代役。こ
の日の配役は以下の通り。寸劇は、未演技、未演出。
テキスト『范の犯罪』から 12月9日公演に向けて

模擬裁判「ナイフ投げ曲芸師美人妻殺害事件」25分

≪寸劇≫ 事件場面の演技。曲芸師がナイフを投げ、美人妻の首に刺さる。3分程度
≪裁判≫ 法廷内 22分程度
裁判官 ・・・・ 南海洋輔    座 長 ・・・・ 代役 齋藤
被 告 ・・・・ 齋藤真由香   進 行 ・・・・ 嶋津きよら
助 手 ・・・・ 嶋津きよら   (検察と弁護は、まだで省く)
   
【ゼミ雑誌編集作業状況】 ゼミ誌は全面創作で 齋藤編集長報告

ゼミ雑誌『読書と創作の旅』は、編集諸事情から、当初の予定通り64頁ものに決定した。
これにより創作のみを掲載する。尚、編集作業は順調。

【人生相談】大学2年生の母親から。息子が退学して料理人になりたい。

「息子の決心度を知りたい」「過干渉過ぎる」「本当になりたがっているとはおもえない」

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.228 ―――――――― 2 ―――――――――――――

テキスト志賀直哉『剃刀』を読む 次回、脚本化で模擬裁判

見本 HP「竹取物語」 HPにあった事件簿です。どんな判決か

竹取り物語にでてくる、親切でやさしく正直なおじいさんとお婆さんは、どんな罪になるのか。考えて判決を出してみましょう。

【事件概要】
竹取り爺さんが竹ヤブに行くと、赤ちゃんがいた。お爺さん勝手に連れて帰る。お婆さんたいそう喜んで、お玉と名付け二人で育てることにする。が、親の若夫婦は、ちょつとした隙にいなくなった我が子を必死で探す。警察は事件・事故の両面で捜査。赤ちゃんの行方ようとして知れず。3カ月後、通報で発覚。逮捕される。老夫婦の罪は?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

起訴状 → どんな罪か

検察陳述 → 検察の見方は
検察の求刑 → 刑罰は

老夫婦の言い分は →

弁護人 → どのように弁護

裁判員だったら → どんな判決にするか
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
判決

有罪の場合 → 

竹取り爺さん(主犯) → 

お婆さん(共犯) →

無罪の場合 → 

テキスト『兒を盗む話』 「尾道女児誘拐事件」として考える

【事件概要】争点、寂しさからか、ワイセツ目的か

 12月×日 按摩の妻は、5歳になる娘を連れて祭にでかけた。が、出店の人混みで娘が迷子に。探したがわからず1時間後、近くの交番に届ける。2時間後、尾道署の巡査多数も加わり捜索するが、娘はようとして不明。両親、探偵を雇う。尾道署も誘拐・事故の両面で捜査本部を設置し捜査範囲を広げた。不明の女の子を連れた若者を見た、との目撃情報あり。若者は、近頃、東京から来て山の上に家を借りている。職業不詳。ときどき街をぶらつき、芝居小屋にも出入りしている。二日後、若者の借家を急襲、無事保護する。

【模擬裁判 法廷登場人物】

裁判長  被告人  検察側  弁護人  証人(大家) 幼女の両親  裁判員
被告人の父親    被告人の関係者
―――――――――――――――――― 3 ――――― ☆文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.228

裁判員裁判とは何か

テキスト事件観察の模擬裁判を前に

後期テキストは、事件観察作品で、模擬裁判をすすめていきます。裁判制度については以下

参考資料
 2009年5月21日(平成20年)から裁判員制度が施行された。これにより同年7月以降から実際に一般市民が裁判に参加することになった。
 裁判員制度は、市民(衆議院議員選挙の有権者)から無作為に選ばれた裁判員が裁判官とともに裁判を行う制度で、国民の司法参加により市民が持つ日常感覚や常識といったものを裁判に反映するとともに、司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上を図ることが目的とされている。裁判員制度が適用される事件は地方裁判所で行われる刑事裁判のうち、殺人罪、傷害致死罪、強盗致死傷罪、現住建造物等放火罪、身代金目的誘拐罪など、一定の重大な犯罪についての裁判である。例外として、「裁判員や親族に危害が加えられるおそれがあり、裁判員の関与が困難な事件」は裁判官のみで審理・裁判する(法3条)。被告人に拒否権はない。裁判は、原則として裁判員6名、裁判官3名の合議体で行われ、被告人が事実関係を争わない事件については、裁判員4名、裁判官1名で審理することが可能な制度となっている(法2条2項、3項)。裁判員は審理に参加して、裁判官とともに、証拠調べを行い、有罪か無罪かの判断と、有罪の場合の量刑の判断を行うが、法律の解釈についての判断や訴訟手続についての判断など、法律に関する専門知識が必要な事項については裁判官が担当する(法6条)。裁判員は、証人や被告人に質問することができる。有罪判決をするために必要な要件が満たされていると判断するには、合議体の過半数の賛成が必要で、裁判員と裁判官のそれぞれ1名は賛成しなければならない(一部立証責任が被告人に転換されている要件が満たされていると判断するためには、無罪判決をするために合議体の過半数の賛成が必要で、裁判員と裁判官のそれぞれ1名は賛成しなければならない)。以上の条件が満たされない場合は、評決が成立しない(有罪か無罪かの評決が成立しない場合には、被告人の利益に無罪判決をせざるを得ないと法務省は主張しているが、法令解釈権を持つ裁判所の裁判例、判例はまだ出ていない)。なお、連続殺人事件のように多数の事件があって、審理に長期間を要すると考えられる事件においては、複数の合議体を設けて、特定の事件について犯罪が成立するかどうか審理する合議体(複数の場合もあり)と、これらの合議体における結果および自らが担当した事件に対する犯罪の成否の結果に基づいて有罪と認められる場合には量刑を決定する合議体を設けて審理する方式も導入される予定である(部分判決制度)。裁判員制度導入によって、国民の量刑感覚が反映されるなどの効果が期待されるといわれている一方、国民に参加が強制される、国民の量刑感覚に従えば量刑がいわゆる量刑相場を超えて拡散する、公判前整理手続によって争点や証拠が予め絞られるため、現行の裁判官のみによる裁判と同様に徹底審理による真相解明や犯行の動機や経緯にまで立ち至った解明が難しくなるといった問題点が指摘されている。裁判員の負担を軽減するため、事実認定と量刑判断を分離すべきという意見もある。
 最高裁によると、全国の裁判員裁判対象事件は2004年の3791件から減少傾向にある。都道府県別で昨年、対象事件が最も多かったのは①大阪306件、②東京255件、③千葉214件の順。最も少なかったのは福井県の7件。罪名別では、①強盗致死傷695件、②殺人556件、現在建造物など放火286件、強姦致死傷218現在と続いた。(新聞8・5.2009)
選ばれる確率は4911人に1人(全国平均)

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.228 ―――――――― 4 ――――――――――――

課題 6歳継子殺人未遂事件 この事件の判決は

1876年5月×日ロシアのペテルブルグでこんな事件が起きた
(実際の情報が少ないため、事件発生時と現場状況について多少の推理・憶測があります)

裁判員裁判の見本ともいえる裁判

日本には、現在1億3千万近い人間がいる。そのうち未成年者は2300万人というから選挙権の有権者は、1億人前後いることになる。自分が選ばれる確率は宝くじより低い、などと思ってはいけない。人間一生のうち67人に1人が裁判員となる割合だという。
 平成元年生まれの人たちが多いゼミの皆さんも例外ではない。というわけで、この事件を裁判員になったつもりで、評決してみましょう。(この事件は、1876年ロシアの裁判で陪審員制度で裁かれました。ある意味で裁判員の見本となる裁判です。)

「単純な、しかし、厄介な事件」(ドストエフスキー全集『作家の日記』上巻)


事件発端と推移

 1876年5月×日、午前7時頃(推定)ペテルブルグの警察分署に、一人の若い女が出頭した。若い女は、応対した警官に、「たったいま、継娘を4階の窓から放り投げて殺してきました」と、言った。つまり殺人を自首してきたのである。継娘は6歳、4階の高さは地上から十数メートルある。驚いた警察は、現場に駆けつけた。遺体を確認してこなかった、と言ったが、誰もが最悪を思い描いた。この季節にしてはめずらしく、雪が道路のそこここに残っていた。女が放り投げたという4階の窓下にも、いくらかの雪がはき積もっていた。警察は被害者を探した。6歳の女の子は、まったくの偶然に、その雪の中に落ちて気を失っていた。怪我一つなく、奇跡的に助かったのだ。警察は、女を継娘殺人未遂事件の犯人として逮捕した。はたして、この女の罪状は・・・・。現在、日本のあちこちで起こっている幼児虐待事件を思い出す。最近も三つ子の赤ちゃんの一人が虐待で死んだニュースがあった。

犯人の身元

 犯人の若い女は何者か。名前、エカチェリーナ・コルニーロヴァ。年齢20歳。職業、農婦。1年ほど前、妻が病死した子連れ男と結婚した。連れ子は6歳の女の子で、この事件の被害者となった。この夫婦は結婚当初から夫婦喧嘩が絶えなかった。妊娠中。

殺意の動機

 自己中心的な夫への憎しみ。自分を親戚のところへ行かせず、親戚が来るのも嫌がった。喧嘩のたびに、死別した細君を引き合いに出しては、「死んだ妻の方がよかった」「あのころは、世帯向きがもっとうまくいっていた(米川訳)」など言葉の暴力を受けつづけた。
 このためいつしか愛情より憎しみが強くなり、復讐したいと思うようになった。復讐は、何がてきめんか。それは「亭主がいつも引き合いに出しては自分を非難した先妻の娘を、亡きものにすること」だった。夫に対する面当てから、なんの落ち度もない6歳の継娘を殺そうと計画し、実行した。


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【人生相談】前回相談の新聞アドバイスは、2008年ゼミではこのようでした。

上記のアドバイスは、2008年ゼミⅡの皆さんのもの。

文芸研究Ⅱ下原ゼミNo・228―――――――― 6―――――――――――――――

熊谷元一研究 11・9 長野・熊谷元一写真保存会総会

11月9日(土)熊谷元一写真保存会総会・第16回熊谷元一写真賞コンクール表彰式

11・9第16回熊谷元一写真賞コンクール表彰式
故郷の長野県昼神温泉郷「熊谷元一写真童画館」で

日芸講師・飯沢耕太郎氏が記念講演

午前のセミナーでは、高校生を対象に「写真の撮り方」を話す

 11月9日(土)第16回熊谷元一写真賞コンクール表彰式が長野県昼神温泉郷にある熊谷元一写真童画館で開かれた。第16回から新しく審査員になった日本大学芸術学部文芸学科講師の飯沢耕太郎氏が、午前の写真セミナーで高校生を対象に「写真の撮り方」を講演した。
午後は、写真コンクールの記念講演として、「熊谷元一の写真」を講演した。

午前 飯沢耕太郎氏「写真の撮り方」校高生対象
午後1時00分 熊谷元一写真保存会第17回総会 写真児童館2階
   2時00分 第16回熊谷元一写真賞コンクール表彰式 同2階

9月30日にホテル市ヶ谷で行われた最終審査。左が飯沢氏


話 題 11月7日神帰月増大号「週刊新潮」掲示板

長野市の北野美術館・写真展に熊谷元一の作品も 12月1日まで

この写真展は、長野県生まれの写真家22人による写真展。現役の他に、物故者の熊谷元一氏、島田謹介氏、藤本四八氏、ハリー・K・シゲタの作品も展示される。

―――――――――――――――――― 7 ――――― 文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.228

「一年生」特別企画展

会場 長野県昼神温泉郷 熊谷元一写真童画館・常設展示場

第1回展 :  9月18日(水) ~ 12月16日(月) 12月18日に作品の入れ替え
第2回展 : 12月19日(水) ~ 2014年2月中旬迄
入館料、一般350円 火曜日休館

常設作品の他、普段は展示されない作品、計95点が

 2010年11月に101歳で亡くなった写真家熊谷元一(1909-2010)の代表作といえば、1955年に出版された写真集『一年生―ある小学教師の記録』(岩波写真文庫)である。この作品展が、熊谷の郷里にある熊谷元一写真童画館で開かれる。今年は、没後3年に当たることから特別企画展として2014年2月中旬まで開催される。
【『一年生』出版まで】
1949年4月 (40歳)母校会地小学校に転勤になる。
1951年 (43歳)岩波写真文庫の仕事として蚕の写真を撮る。『かいこの村』
1953年4月1日 (44歳)小学1年生を担任。写真撮影を開始する。
1954年3月30日、小学1年生写真撮影終了
1955年3月 (46歳)、岩波写真文庫『一年生』出版。

これまでの郊外授業 (熊谷元一研究)

下原ゼミでは、熊谷元一研究の一環として郊外授業を実施していきます。写真展、童画展写真童画館見学や熊谷元一研究発表(28会主催)などが主な授業内容です。研究の目的は、熊谷元一という一人の写真家・童画家の生涯と作品検証です。研究は、継続的になります。熊谷の写真、童画、学校教育に関心ある人は、ご参加ください。
これまで実施した郊外授業は、以下の通りです。見学は28会含む()はゼミ生
□2011年9月23日~24日 山形県酒田市美術館「近くて懐かしい昭和展」見学4名
□2012年7月8日(日)~9日(月)秋田角館ぷかぷ館「熊谷元一写真展」見学5名(1)
□2013年7月5日(日)銀座・教文館「岩波書店創業百年展」見学9名(2)
□2013年9月30日(月)市ヶ谷「熊谷元一写真コンクール選考会」見学5名(1)
□2013年11月9日(土)長野県昼神温泉郷 熊谷元一写真童画館「一年生展」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゼミⅡの記録

□ 9月30日(月)郊外授業 写真賞審査会見学 ホテル市ヶ谷 参加1(ゼミⅣ)
□10月 7日(月)ゼミ誌編集作業報告、作成会議 表紙の紙質選定 参加3名
□10月21日(月)司会・南海洋輔 ゼミ誌編集報告 テキスト読み『范の犯罪』疑似法廷
         劇の配役を決める。4名全員参加
□10月28日(月)参加者3名、ゼミ雑誌編集報告、模擬裁判・稽古、南海さん演出・監
 督、齋藤、嶋津。『兒を盗む話』南海さん課題報告、人生相談「大学を
やめたい」私のアドバイス。
□11月11日(月)予定→ゼミ誌編集報告、「美人妻殺害事件」模擬裁判稽古、テキスト読
         み、模擬裁判見本「竹取り物語事件」、児童虐待防止月間「にんじん」
文芸研究Ⅱ下原ゼミNo・228――――――― 8―――――――――――――――

ゼミ雑誌『読書と創作の旅』について
1.  11月中旬までに印刷会社に原稿を入稿してください。
2.  12月6日(金)はゼミ誌納品期限です。厳守!!
3.  12月12日までに見本誌を出版編集室に提出してください。
4.  12月下旬までに印刷会社からの【③請求書】を出版編集室に提出してください。

掲示板

お知らせ

◇ 演劇 東京ノーヴイ・レバートリーシアター主催
    ドストエフスキー作『白痴』ブレヒト作「コーカサスの白墨の輪」
2013年11月14日(木)~ 15日(金)JR両国駅西口下車、左へ徒歩3分
10カ月の間、毎月上演へ。開演18:30 両国シアターX(カイ)03-5624-1181

◇12月7日(土)、ドストエーフスキイ全作品を読む会「読書会」

会 場 東京芸術劇場小5会議室   時 間 午後2時 ~ 4時45分迄 
作 品 『夏象冬記』     報告者 大野智之さん

◇2014年2月1日(土)、ドストエーフスキイ全作品を読む会「読書会」

会 場 東京芸術劇場小5会議室   時 間 午後2時 ~ 4時45分迄 
作 品 『鰐』     報告者

◇児童虐待防止月間 11月

募 集 第17回【熊谷元一写真賞コンクール】応募テーマ「かんどう」

締切平成26年9月20日まで。応募先・〒395-0304 長野県下伊那郡阿智村智里331-1 熊谷元一写真童画館内「写真賞コンクール事務局」0265-43-4422 
第16回の応募者数


・・・・・・・・・・・・・・・・編集室便り・・・・・・・・・・・・・・・・
□住所〒274-0825 船橋市前原西6-1-12-816 下原方『下原ゼミ通信』編集室
 メール: TEL・FAX:047-475-1582  toshihiko@shimohara.net
       携帯 090-2764-6052

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