文芸研究Ⅱ 下原ゼミ通信No.153

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日本大学芸術学部文芸学科     2010年(平成22年)9月27日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.153
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                             編集発行人 下原敏彦
                              
9/27 10/18 10/25 11/8 11/15 11/22 11/29 12/6 12/13 1/17 1/24 
  
2010年、読書と創作の旅

後期ゼミは、観察作品発表&社会観察を中心に
9・27ゼミ

9月27日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。ゼミ2教室

1.第三回ゼミ雑誌編集会議・ゼミ誌原稿受付
  2. 私の夏休み報告(書評・映画評など)
  3. 社会問題観察(プラモデル・自殺・友達できない)
4.「大学を辞めたい」友人の悩み観察のアドバイス
      

後期スタート(車内観察から社会観察の旅へ)
 酷暑の夏でした。皆さんは、どのように過ごされたでしょうか。記録的な暑さが続いた日本でしたが、外国では、雪や大洪水に見舞われた地域もあったようです。だいたいにおいて異常気象の夏でした。社会面では、子供の虐待、高齢者の失踪発覚と嫌な奇つ怪な事件が多発しました。政治も、古さと新しさが問われました。
後期は、こうした社会の出来事を踏まえ車内観察に加え家族観察、社会観察を行う予定です。関連として結審された裁判員裁判の検証も妥当だったかどうか議論していきます。

ゼミ誌作成は全員で

また、後期はゼミ雑誌完成に向けての実労があります。負担が偏らないよう全員参加を目指してください。レイアウトの得意な人はレイアウトを、校正ができる人は校正を、印刷会社と交渉できる人は渉外係りを、一丸となって当たりましょう。

7・12ゼミ観察 前期最終ゼミは7月12日でした。以下、概要と参加者。         
     第二回ゼミ誌編集会議 伊藤光英編集長出席で始動

この日、第二回ゼミ誌編集会議が開かれた。伊藤編集長の出欠不明で前回同様、竹下晃誠さんが編集長代行を務めた。見積書の締め切り等もあり今後の進行が議案となった。が、伊藤編集長登場で一件落着。伊藤編集長は欠席を詫び、手土産に菓子箱を持参した。この日の参加者は以下の皆さんです。

・立川睦生さん   ・阿井大和さん    ・竹下晃誠さん
・藤重はるかさん  ・伊藤光英さん    ・重野武尊さん

配布した観察課題=「自分の夏休み」「映画・読書」「社会」「車内」「一日」
※ 第二回編集会議の決定事項報告は3頁に

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.153―――――――― 2 ―――――――――――――

車窓雑記     夏休み観察・ある写真展への旅
       
 日本の会社で社長を一番多く出している都道府県はどこか。先日、そんな調査結果の話題をテレビか新聞でとりあげていた。確か2位、3位は四国だった。工芸品とくだものが産地というヒント。ちなみに東京、埼玉、神奈川などの関東圏は、最下位組である。ということは、地方ということだが思い浮かばなかった。答えは、山形県だった。意外だったが、この夏のはじめ車窓からみた風景が想い浮かび懐かしい思いにかられた。
 そんなことで、たいして関連はないが、この夏の思い出としてある写真展への旅をとりあげることにした。梅雨明け早々、酒田市に行くことになった。酒田市美術館で開催されている、「近くて懐かしい昭和展」を見学するためである。10年前、2000年の夏、東京両国にある江戸東京博物館で「近くて懐かしい昭和展」が催された。美空ひばり、力道山、長嶋茂雄など戦後の昭和を飾った著名な人たちの記録や映像が人気を博した。そのなかにあって入場者の関心をひときわ引いたのが写真家・熊谷元一の「一年生」写真館だった。この「一年生」は、昭和28年、私が小学一年生のとき、当時、担任だった熊谷が撮ったものである。展示の写真は、私の郷里の村にある「熊谷元一写真・童画館」から貸し出したものである。そんなことから、村の写真館職員が視察に行くという。急な誘いだったが、私は被写体で、写真保存会の会員でもあったので参加することにした。総勢7名。現地で合流することにした。

酒田市まで
東京からは、私の他に同級生ら3名と同行した。はじめ山形県と聞いて、そんなに遠くないと思った。誘いに乗ったのもそれがあった。新幹線で3時間もあれば、と気楽に考えたのである。10余年前、新幹線で「山形」まで行ったことがある。高校のPTA大会が山形市で開かれ参加した。そのとき、あまり遠く感じなかった。
正午に東京駅を出発した。新幹線は、山形駅を過ぎた。新庄が終着駅だった。下車して、ようやくそのことに気がついた。同行者も皆、山形は、はじめてだった。酒田は、そこから在来線に乗り換え終点まで行くと知った。車窓は、さくらんぼ、ラフランス、ブドウ畑がつづくのんびりしたものだった。山間に入ると右手の窓外に大きな川がゆったり流れているのが見えた。これが、あの最上川か、眠くなった頭に「五月雨を 集めて早し 最上川」の句。元禄2年(1689年)3月27日江戸を発った芭蕉は6月1日に舟に乗って最上川下りをした。あれから321年にもなるのか・・・意味もなくそんなことを考えているうちに熟睡した。

写真と映画と米倉庫の町
酒田に着いたのは5時過ぎだった。恥ずかしい話だが、この町のことは、昔、大火があって焼けたということぐらいで、あとはあまり知らなかった。改札を出ると、待合の壁に大きなポスターが目についた。ある有名男優が、鳥海山を背景にチェロを弾いている写真だった。なぜ、と思うまもなく、「おくりびと」の文字で総てを理解した。この町は、あの米国アカデミー賞外国映画賞受賞作品「おくりびと」の映画ロケ地だった。タクシーの運転手の話によると、いまでもロケ地めぐりの観光客が多いという。宿への途中、白壁と黒塀の建物が幾棟も連なる運河に寄った。江戸時代、北前船で栄えた山居倉庫。米の保存をよくするために植えられた欅並木の大樹が歴史を感じさせた。
宿の近くに酒田市美術館があり、翌日、無事「近くて懐かしい昭和展」を総勢7名で見学した。この美術館の並び(といっても広大な公園の一角)に土門拳記念会館があって、生誕100年記念写真展が開かれていた。まったく知らなかったが、土門拳は、この町出身の写真家だった。昭和33年(1955年)第一回毎日写真賞が審議された。当時、写真家として既に有名だった土門拳、木村伊兵衛、林忠彦らが最有力者としてあがった。しかし、彼らを抑えて受賞したのは、無名の一小学校教師熊谷だった。被写体は、一年生の写真。予期せぬ二人の写真家見学への旅。はじめて訪れた酒田で様々なことを知った。
―――――――――――――――――― 3 ――――― 文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.153
 2010年、読書と創作の旅 7月12日ゼミ報告

第2回ゼミ雑誌作成編集会議報告

タイトル、テーマなど (案) 決まる !

 7月12日、第二回ゼミ誌編集会議が開かれ、テーマ、タイトルなどが内定した。これによって遅れていた22年度ゼミ誌雑誌作成計画は、スタートラインにつくことができた。12月15日の刊行予定日に向かって始動できる見通しがついた。
 参加した編集委員と案、内定までの経緯は下記の通り

・立川睦生さん   ・阿井大和さん    ・竹下晃誠さん
・藤重はるかさん  ・伊藤光英さん    ・重野武尊さん

伊藤光英編集長・竹下晃誠編集長の二人三脚で

タイトルは(仮)『読書と創作の旅』

 ゼミ編集会議の結果、ゼミ誌タイトル及びテーマなどは、以下の内容で仮決定した。

□ゼミ雑誌タイトル → (仮)『読書と創作の旅』

□テーマ → タイトルに添った創作 25枚程度

□企 画 → 〈自由〉に書く。なるべくまとめてー。

       困った人は、「ゼミ通信」掲載の課題作品、可。

□締め切り → 9月27日(月)Wordで。

納品締め切りは、12月15日(水)厳守 !!

【今後の制作手順】
1. 9月末  → 編集委員にゼミ誌原稿を提出。具体的には9月27日
2. 10月上旬 → 編集委員は、内定の印刷会社から②「見積書」をもらう。
3. ~11月 → 「見積書」の提出。印刷会社と相談しながらゼミ雑誌作成。
4. 12月 → 15日までにゼミ誌提出、③「請求書」提出

注意事項!!
◎ 印刷会社を決めるに際して
「はじめての業者は避ける。わからないときは、編集出版局に相談する」

ゼミ誌編集委員
 ゼミ雑誌編集委員は、次の11名の皆さんです。協力し合って2年ゼミの記念になるものをつくりましょう。(順不同)

・越智美和さん ・阿井大和さん ・竹下晃誠さん ・藤重はるかさん ・後藤大喜さん
・高口直人さん ・塚本笑理さん ・立川陸生さん ・伊藤光英さん ・重野武尊さん
・伊藤果南さん   ◎ 編集長・伊藤・竹下 ○ 副編集長・塚本
文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.153 ―――――――― 4 ―――――――――――――――

9・27プログラム

1. 第3回ゼミ雑誌制作編集会議、ゼミ誌掲載原稿提出など

表紙絵、本文レイアウトなどについて

2. 夏休み報告

 各自の夏休み。連日、記録的な猛暑だった今年の夏ですが・・・

3. 社会観察 (夏休み期間、気になった新聞記事)

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「ガンプラ捨てられた」自宅に放火 8・25朝日新聞

被告「体と心の一部が・・・」家族に怒り募らす

 人気アニメ「機動戦士ガンダム」のプラモデル(ガンプラ)を家族に処分されたことに腹を立て、兵庫県加西市の自宅に放火したとして、現住建造物等放火罪に問われた会社員の男性被告(30)の裁判員裁判の初公判が24日、神戸地裁姫路支部(森浩史裁判長)であった。被告は起訴内容を認め、被告人質問で「(ガンプラは)体と心の一部だった」と述べた。
 被告は昨年8月9日午後2時すぎ、自室6畳間に灯油をまいて火をつけ、木造住宅約220平方㍍を全焼させたとして起訴された。
 検察側は冒頭陳述で、被告の部屋を掃除した母親らに200~300箱分のガンプラの一部をゴミと一緒に捨てられたと思い込み自暴自棄になったと動機を説明。「家族が自分を理解してくれないと怒りを募らせ、ガンダムのプラモデルと共に焼け死のうと思った」と指摘した。実際にはゴミ袋に入れられたまま捨てられていなかったという。
 被告は「プラモデルを見ていると、どんなに仕事がつらくても明日は頑張ろうといういう気になれた」と述べた。  (川田惇史)
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 この事件、どんな感想をもったらよいか、ちょつと困る事件である。稚拙、単純、馬鹿息子と罵詈雑言はいくつも浮かぶ。が、理解しがたい出来事だ。「2010年読書と創作の旅」の参加者は、どう思うか。

1、 被告の行為(放火した)は、納得できる。
2、 たとえ捨ててなくても、家族の行為(ゴミ袋に入れた)は、許し難い。
3、 自分も、そんな気持ちになったことがある。
4、 プラモデルは重大だ。
あなたの人生のになかでの位置は、どのくらいか。
0%  20%  50%   70%  80%  100%

※ この記事を書いた川田記者は、文全体の雰囲気から想像すると、この容疑者に同情的のような気がする。記者も同世代か。

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この出来事も不可解です。
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パラグアイ戦の日 君よ なぜ 8・27朝日新聞「五線譜」

だれもが信じられない死

生まれ故郷の小さな国の名が、繰り返し人々の話題にのぼっていた日の朝だった。
6月29日早朝、日系パラグアイ3世の男子大学生、ビクトルさん(当時19)が東京都千代田区のマンションで転落死した。サッカー・ワールドカップの日本―パラグアイ戦がその夜に控えていた。
家族と来日したのは5年前。居酒屋で働きながら静岡県内の高校を卒業した後、新聞奨学生となり、昨年3月から都内の新聞販売所の寮で暮らしていた。
警視庁によると、新聞配達の途中、10階から飛び降りたらしい。手すりの指紋や防犯ビデオの映像から自殺と判断された。寮で同室だった日本人の男子学生(26)は、パラグアイ戦を一緒にテレビで見る約束をしていた。「なぜ、その朝に」。学生は首をかしげる。販売所の所長は「まじめで明るい青年だった」と振り返る。
両親も死が信じられない。「将来は国際的な仕事をしたいと頑張っていたのに」
死の前日、高校の友人3人と出かけていた。待ち合わせに3時間遅れたほかは、いつもの明るい様子だった。翌朝4時44分、友人の一人に携帯電話から短いメールが届く。
「ごめんな」。死の直前だった。
 遺書はなかった。葬儀には60人近い友人が集まった。細かな骨まで手で拾い、骨つぼに納めて泣いた。突然の死の理由は、今もわからないままだ。    (田村剛)
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 自殺の動機はそれぞれである。突然のうつ病発作でないとすれば、彼の場合、動機は何だろう。前日、友人との待ち合わせに3時間遅れたということは関係あるのか。あるとすれば、3時間という時間のなかに込められた死の理由とは。そして、葬儀にきた60人の友人は、本当にだれ一人として心当たりがないのか。さまざまな疑問が浮沈する。
この記事を作品材料にとりあげるとすれば難題である。「2010年読書と創作の旅」の皆さんは、この出来事をどう創作できるか。

. 1.彼の日常観察
 普段友人には、どんなメールを送っていたか。
 日記はつけていたか。
 大学生活はどんなだったか。

2.この記事のなかで死を予感させるものは、前日の3時間の遅刻のみである。遅刻というに
は、あまりに長い時間である。従って、ここにヒントがあるような気がする。
 彼は、この3時間、どこで何をしていたのか。想像してみる。

4. 飛び降りたとみられる4時44分頃は、この時期、日の出の時間である。購読の各家庭に新聞を配りながら階段を駆け上っていく、彼は明るくなっていく東の空を見て何を思ったのだろう。

文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.153 ―――――――― 6 ―――――――――――――――

前頁、二つの出来事と関連するかは不明だが、なんとなく彷彿する記事


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大学が「友達づくり」の手助け 9・17朝日新聞「天声人語」

 友人とはなんぞや、の答えは色々だろうが、臨床心理学者の故・河合隼雄さんの著作中にこんなのがある。「夜中の12時に、自動車のトランクに死体をいれて持ってきて、どうしょうかと言ったとき、黙って話に乗ってくれる人」(『大人の友情』)。なかなか刺激的だ。
▼ある大学で、入学後1週間もしないうちに「友達ができない」と学生が相談にきたそうだ。「努力したがうまくいかない」と言う。その話に河合さんは驚いた。1週間努力すれば友達ができる、と思っていることにである。▼河合さんが健在なら何を思うだろう。せっかく入った大学を、友達ができないからと中退する学生が増えているという。このためいくつかの大学が「友達づくり」の手助けをはじめたそうだ▼学生たちは、友達がいない寂しさより、いない恥ずかしさに耐えられないのだという。「暗いやつ」と見られたくない。周囲の目が気になって学食で一人で食べられない。あげくにトイレで食べる者もいるというから驚かされる▼昨今、「友達がいなさそう」というのが、人へのもっとも手厳しい罵倒ではないかと、作家の津村記久子さんが日本経済新聞に書いていた。人格の根本部分を、あらゆる否定をほのめかして突くからだという。やさしげでいて残酷なご時世、学生ならずとも弧高には耐えにくいようだ▼携帯電話に何百人も「友達」を登録して、精神安定剤にする学生もいると聞く。だが、友情とは成長の遅い植物のようなもの。造花を飾って安らぐ心の内が、老婆心ながら気にかかる。〈2010・9・17〉
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 ずいぶん前になるが、演歌歌手の森進一がインタビューで「友達はいますか」と聞かれたことがあった。そのとき、彼は躊躇なく「ひとりもいません」と答えた。質問した女子アナは、言葉に窮して狼狽した。が、それが妙に男らしく見えて森の株が上がった。
 当時、全共闘からの連帯は連合赤軍事件で終わり、時代は個の時代に入っていたせいもある。そういえば一匹狼の木枯紋次郎が人気あった。
 だが、人間は、所詮社会性の動物である。仲間がいなくては生きられない。テレビではタモリの昼番組で「友だちの輪」が視聴率をあげ、マンガでは、「ともだち党」がでてくる『20世紀少年』が読まれだした。これに遅れた人たち、輪にも一匹狼にもなれない人たち。彼らはオタク世界に入っていった。そうして、彼らは村上春樹やジブリの世界にたどりついた。驚いたことに、それは日本だけの現象ではなかった。世界にひろがった村上春樹やアニメ人気がそれを証明している。彼らは仲間のようであり、そうでもない。希薄な絆で結ばれた人たち。そんなふうに思うのである。

5. 課題・人生相談「目的のために大学を辞めたい」。私のアドバイスは
 
  大学を辞め料理人に」新聞の【人生案内】に、大学2年生の母親からこんな相談がありました。あなたは、どう答えますか。
(相談内容は、以前配布したものです)

辞めるのに賛成なら  なぜ →  

辞めるのに反対なら  なぜ → 

※ 反対・賛成者は議論。一方的の場合は、半々に分かれる。
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2010年読書と創作の旅・テキスト

テキスト・志賀直哉の観察作品

 観察作品のテキストとして志賀直哉の作品をとりあげていますが、主に考察するのは、以下の作品群です。

【車内観察】なんでもない車内の風景。が、そこには社会の現状と予見がある。

「小説・網走まで」「出来事」「鳥取」「灰色の月」「夫婦」

【生き物観察】身近にいる昆虫や動物を写生するように丁寧に描かれている。が、主人公は、生きものの生死を左右できる神として描かれている。

「菜の花と小娘」「濠端の住まい」「蜻蛉」「城の崎にて」「犬」「雪の遠足」
「池の縁」「日曜日」「クマ」「虫と鳥」「馬と木賊」「兎」「玄人素人」「猫」
「蝦蟇と山棟蛇」「子雀」「山鳩」「目白と鵯と蝙蝠」「朝顔」「鴉の子」「雀の話」

【事件もの観察】事件

「正義派」「兒を盗む話」「氾の犯罪」

前期提出・観察課題一覧


前期ゼミで提出された課題原稿は、以下の通りです。書くことの日常化を目指すため、後期は、より多くの観察作品を提出ください。

【観察作品】

・伊藤果南「青春老女」未発表 ・・・ 車内観察作品

・重野武尊「女装趣味の男」発表済み ・・・ 車内観察作品

・重野武尊「遠い目覚め」発表済み ・・・ 自分の一日観察作品

・重藤はるか「広いシート 狭いシート」発表済み ・・・ 車内観察作品

・竹下晃誠「府中本町~東所沢間」発表済み ・・・ 車内観察作品

・越智美和「胎児に還れる場所」発表済み ・・・ 車内観察作品

・竹下晃誠「人とは欺くある物に非ず」発表済み ・・・自分の一日観察作品


文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.153 ――――――――8 ――――――――――――――――

掲示板
【後期ゼミ予定】

・後期は、車内生き物観察のテキスト読みと併せて、家族観察として『にんじん』をとりあ
げます。(「にんじん」から無意識の虐待家庭を探る)
・事件小説の裁判員裁判にも挑戦
・12月最終ゼミ、予定、合同発表(疑似裁判Or紙芝居)
・1月は百人一首大会

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土壌館日誌
邦画封切り作品観察
 25日に封切られた「13人の刺客」だが、見たい気持ちと見たらがっかりするのでは、そんな半々の気持ちが正直なところである。ベネチア映画祭で人気はあったが、受賞できなかった、というのも気にかかる。昔みた白黒のオリジナルは、迫力満点だった。今回は、人数も仕掛けも大掛かりにしてあるという。そのへんも心配だ。あの「椿三十郎」もひどいものだった。とにもかくにも、リメイクで成功した作品をあまり知らない。さて、どうだったろうか・・・。

不可解なもの観察
 先日、病院で不可解な病名を告げられた。靭帯が骨に変化するというのだ。不可解な故に難病指定だという。そろそろ学校がはじまる。それで、気になっていた両足のしびれの原因をつきとめようとMRIを撮った。「加齢か、動脈硬化が原因では」私は、なんどか聞いた。昔、柔道で痛めた古傷か、肥満からくる生活習慣病と思ったのだ。が、医者の診立ては違った。「いや、違います。そういったものではありません」と断言した。そうして「今すぐどうのとは関係ありませんが」といいながら、早く申請して再検査するようにすすめた。何か狐につままれたようである。

お知らせ
           
■ 10月16日(土)ドストエーフスキイ全作品を読む会第241回読書会 『貧しき人々』
■ 11月13日(土)ドストエーフスキイ全作品を読む会朗読会「アサドク」『貧しき人々』
■ 12月25日(土)ドストエーフスキイ全作品を読む会第242回読書会『貧しき人々』
池袋西口・東京芸術劇場小会議室7 1000円(学生半額、セミ生0)
※ 詳細並びに興味ある人は「下原ゼミ通信」編集室まで
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
編集室便り
☆ 課題原稿、学校で直接手渡すか、下記の郵便住所かメール先に送ってください。
 「下原ゼミ通信」編集室宛
  住所〒274-0825 船橋市前原西6-1-12-816 下原方
  メール: TEL・FAX:047-475-1582  toshihiko@shimohara.net
□ゼミの評価基準は可(60~100)とします。評価方法は、次の通りです。
  課題の提出原稿数+出席日数+α=評価(60~100)


「2010年、読書と創作の旅」前・後期記録

前 期

4月19日 ガイダンス 嘉納治五郎の「読書のススメ」、志賀直哉「菜の花と小娘」読み
4月26日 司会=越智美和 担当決め(正副班長=立川・後藤 ゼミ正副編集長=伊藤・
塚本)自己紹介、ビデオ「おんぼろ道場再建」、「ひがんさの山」参加8名
5月10日 司会=立川、参加7名、車窓観察「沖縄米軍基地問題」討議、名作観察「空中
ぶらんこに乗った大胆な青年」、車内観察テキスト「夫婦」
5月17日 司会=阿井大和、参加8名、名作紹介、5月の詩編ランボー「谷間に眠る者」空想観察「フェッセンデンの宇宙」テキスト『網走まで』読みと感想

5月24日 司会=伊藤光英、参加7名、ゼミ合宿採決=無し、名作観察O・ヘンリー『心と手』、『網走まで』の「網走」解説、比較作品『三四郎』の読み、
5月30日 快晴 参加者3名 犯罪観察モーパッサン『狂人』、紙芝居口演『少年王者』

6月 7日 快晴 参加者5名、司会=竹下晃誠、草稿『網走まで』読みと評。提出作品発
      表・車内観察「女装趣味の男」重野作、一日観察「遠い目覚め」重野作、合評。
      バルザック『谷間の百合』紹介、冒頭読み。
6月14日、雨 参加者3名、NHKビデオ、司会=後藤、合評=竹下作品「府中本町間」、
テキスト「出来事」と対比作品「正義派」の読み。感想
      6月21日 晴れ。司会=重野、発表・合評、『兒を盗む話』、「尾道幼女誘拐事件」裁判

6月28日 編集会議・竹下代行 司会=重藤 発表・合評=越智美和作「胎児のいた場所」
      竹下晃誠作「人とは欺くある物に非ず」、裁判報告執行猶予付き5年
7月12日 参加者6名。第3回編集会議・竹下・伊藤
9月27日 第4回ゼミ誌編集会議 原稿収集、夏休み報告、社会観察

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